インプラントのメインテナンス・アフターケアをしたい

インプラントの寿命はお手入れ次第!

歯のインプラントは今や95%以上という高い成功率を誇っており、まるで自分の歯の感覚のように違和感なく使うことができるので、一度インプラントを埋め込んだら「もう目標は達成した」と、それがあたかもゴールのように思われがちです。

しかし、インプラントを埋め込んでも、それはまだほんの始まりにすぎません。

せっかく埋め込んだインプラントを長持ちさせたいならば、インプラントを入れた後に正しい方法でお手入れを続けていくことが大事です。

なぜインプラントはキチンとしたお手入れが必要なのか

インプラントは人工物ですので、インプラントそのものは虫歯になることはありません。ですが、自分の歯のように歯周病になってしまうことはあるのです。

これをインプラント周囲炎と呼び、症状は、自分の天然歯に比べて、よりシビアであると考えたほうが良いのです。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎は、インプラントが埋まっている骨や歯茎が歯周病菌によって破壊されてしまう病気です。

また、一度かかると自然治癒することはなく、その後の治療はせいぜい進行を抑えるための治療、ということになります。

なぜインプラント周囲炎は歯周病よりもシビアなのか

以下の3つの理由が挙げられます。

  • 人工のものなので、汚れに弱い
  • 骨とインプラント体の間に、天然歯には存在するクッション的な役割をする「歯根膜」が存在しないため、噛み合わせの力が骨に直接ダメージを与え、骨が吸収しやすい。
  • 歯根膜がないことにより、血液供給がより少ないため、免疫力が働きにくく、感染が進展しやすい。

心配しなくても大丈夫!長持ちさせるコツがあります

インプラント周囲炎にかからないように、長持ちさせるために、いくつか知っておきたいことを挙げていきます。

天然歯よりも歯磨きを丁寧にする

インプラントの歯磨き方法は、基本的には天然歯と同じですが、意識せずただ漠然と磨いているだけでは、磨き残しが出てしまうものです。歯周病の発生源となる歯と歯茎のポケットを意識してブラシを当て、歯茎を傷つけないくらいの軽い力で、10~20回のストロークをかけて磨きましょう。

タバコを吸わない

タバコは歯茎にとって大敵です。タバコを吸う人は吸わない人に比べて歯周病にかかるリスクが5倍以上だと言われています。これはインプラントにも同じことが言えます。 吸う本数が少ないからといって、リスクがゼロになるわけではありません。タバコは吸ってはいけないということはありませんが、10年後の予後の経過に約10%の違いが現れます。

体の健康管理にも気をつける

歯周病、インプラント周囲炎は、糖尿病や骨粗しょう症のような全身疾患があると非常に悪化しやすくなります。このような病気にかからないよう、健康管理に気をつけることも大事です。既応歴のある方はコントロールできていることが大切です。

定期的にクリーニングを受ける

インプラント周囲炎を起こさないためには、毎日の歯磨きが最も大事ですが、残念ながら自分で100%汚れを落としきることは不可能です。そのため、磨き残しの蓄積は歯医者さんで定期的にクリーニングをして落としてもらう必要があります。

噛み合わせのコントロールを行う

噛み合わせの力が強くかかり過ぎないようにコントロールすることも大切です。インプラントは強い力がかかりすぎると骨にダメージがかかりやすく、骨が吸収してしまいやすいためです。特に歯ぎしりのある人はマウスピースを入れるなどして、力がかかり過ぎないようにすることが必要になります。

食生活に注意する

間食や夜寝る前に何かを食べる習慣があると、歯垢が溜まりやすくなって歯周病やインプラント周囲炎を起こしやすくなりますのでなるべく控えましょう。

インプラント手術を受けた後の具体的なお手入れ法

インプラント手術直後(~2日後くらい)

インプラント部分はそっとしておき、触らないようにしましょう。インプラント以外の歯は通常通り磨くようにしましょう。

また、血の塊(血餅)ができますが、これは歯茎の治りに重要な働きをするものですので、流してしまわないように、極力うがいは避けるようにしましょう。最終的な被せ物が入るまでは月に1回のケアが必要です。

インプラント手術後2日~抜糸まで

インプラント部分はなるべく刺激しないように注意し、歯茎についている縫い糸に汚れがなるべく付着しないよう、食後のうがいを念入りに行いましょう。

被せ物が入るまで

インプラント手術を1回法で行った場合、歯茎からインプラントのカバーが露出しています。このカバー部分に歯垢がたまらないようによく磨くようにしましょう。

また、インプラント手術を2回法で行った場合、インプラント体は歯茎の下に隠れています。この場合にはインプラント部は触る必要はありません。最終的な被せ物が入るまでは、月に一回のケアが必要です。

なぜインプラントはキチンとしたお手入れが必要なのか

最も大切なのが自分で行うセルフケアです。なるべく汚れを残さない!を目標にしていきましょう。

1日1回10分、1部位につき20ストロークが目安です。

歯ブラシの仕方

硬めの歯ブラシは避け、特に歯と歯茎の境目を念入りに磨きましょう。音波電動歯ブラシなどを使うのもオススメです。歯垢がたまらないように、1日に2回は歯磨き、特に寝る前には欠かさないようにしましょう。

歯ブラシ以外の清掃器具も使う

歯ブラシでは取りきれない汚れを落とすのに大変効果的です。

歯間ブラシ 歯と歯の間を磨く際に、ある程度隙間が大きい場合に使用します。サイズがいくつかあるため、自分にあったサイズを選んで使いましょう。サイズが分からなければ歯医者さんに聞いてみることをお勧めします。

デンタルフロス

糸状の清掃器具で、歯と歯の間やインプラントと歯茎の間を清掃するのに使用します。

タフトブラシ

歯ブラシの、毛先が小さく尖っているタイプの清掃器具です。歯ブラシよりも小回りが利き、細かい部分が磨けるため、インプラント周囲の仕上げ磨きとして用いると良いでしょう。

歯磨き粉の選び方

粒のある歯磨剤を使わないでください。

当院なら安心してメンテナンスを受けられます!

毎日のお手入れに加え、定期的に歯科医院でもメンテナンスが必要です。

当院では、インプラント埋入後でも患者様に安心していただけるよう、専任歯科衛生士が担当し以下のようなメンテナンスを行っています。

メンテナンス内容

  • リスクの少ない方:4,6カ月に1回
  • リスクの高い方:2,3カ月に1回
  • コントロールできていない方:1カ月に1回

レントゲンでのチェック

インプラントの周囲の骨に異常がないか、レントゲンを撮って確認します。

歯周組織検査

歯ぐきの検査は歯周組織検査と呼ばれ、歯周ポケット、歯ぐきの炎症や歯の動揺などの程度などを調べます。レントゲン検査とあわせて歯周病の状態を把握して診断します。

お口のチェック

インプラントの状態、歯茎の状態を念入りにチェックします。人工歯の緩みがないか、などもチェックし、一度外して確認することもあります。

かみ合わせのチェック

色紙を噛んでもらい、かみ合わせの強さや全体的なかみ合わせバランスをチェックし、かみ合わせに以上があれば、人工歯を削って調整していきます。

お口のクリーニング

毎日のブラッシングでは落としきれない歯垢や歯石を専用の器具、機械で念入りに落とし、隅々までクリーニングしていきます。

ブラッシング指導・生活指導

お口の清掃状態などから問題点を探り、その人にあった歯磨きの仕方を提案し、実際に取り入れられるかどうかを確認しながら、自分でなるべく効率良くお手入れができるように指導を行います。 また、食生活などにも問題がないかを確認し、なるべくお口の健康に問題を起こさないような食べ方などについてアドバイスを行います。

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